高次脳機能障害とリハビリ
高次脳機能障害は様々な要因によって起こります。障害の主なものには注意障害、記憶障害、失行、失認、遂行機能障害、失語症、感情障害、構成失行、半側空間無視等があります。比較的改善がみられやすいものから訓練してもなかなか改善がみられ難いものまで様々です。
注意障害
注意障害には選択性、持続性、転換性、容量性、配分性の障害があります。歩いていても自分の探したいものが見つけられなかったり、二つ以上のことに注意を向けられなかったりと様々な症状があります。それが注意障害からくることを周囲の人がわかることが大切です。
失認症
よく知っている人の顔がわからない。見ただけでそのものがわからない。
身体失認は麻痺のある方が自分の麻痺の体が「他人の体」と主張する等身体がわからなくなる。
失行症
失行症には観念運動失行、観念失行、肢節運動失行等があります。
観念運動失行・・・単純な動作ができない。歯を磨く、髪をとかす等を指示通りできない。
観念失行・・・・・道具を使った一連の動作ができない。お茶を注ぐ、金づちで釘を打つ
等。
肢節運動失行・・・用途に適した関節運動ができなくなる。
失語症
失語症は脳の言語野が左脳に存在することから主に右半身に麻痺がある方に合併します。運動再失語、感覚性失語、全失語があり、脳の損傷部位で症状が異なります。
運動性失語・・・話されていることは比較的理解できるが話を話すことができない。
感覚性失語・・・何を話されているかが理解できない。発語の流暢性は保たれていることと
が多い。言い間違えや錯誤があります。
全失語・・・・・上記の両方が障害されている。
失語症は改善する例も多く、リハビリも大切です。言葉がわからない場合、周囲のことは理解しているか、〇や✖等の形は理解できるか、相手の模倣はできるか等も大切となってきます。そこから徐々にコミュニケーションにつなげていきます。
構成失行
空間認識が障害される。道を歩いていても道順や建物の空間的認識ができない。立体的構造物の構成が理解できない等があります。服着る際も服を立体的にとらえることができず、手を通すことができない頭を通せない、チャックを閉められない等の症状がみられます。
半側空間無視
脳卒中で麻痺のある方の麻痺のある半身の方角、左の麻痺であれば自分に対して左側のものの認識ができなくなる症状です。急性期の方には比較的みられ、麻痺側の食事に全く気付かなかったり、麻痺側のものにぶつかっても気づかなかったりします。比較的改善がみられる症状で早く周囲の人が気づくことが大切です。