筋緊張
筋緊張とは
人間の筋緊張とは筋肉の張りを意味します。人間が動くためには筋緊張はとても大切です。
通常安静時に筋は収縮し過ぎず、緩み過ぎず少しだけ張った状態が理想です。その状態であると直ぐに筋が収縮できます。収縮してしまっていると直ぐに次の収縮を起こせず、また緩み過ぎていてもすぐに収縮できません。つまり、人間が立っているとき力が入り過ぎているととっさに動くことができず、つまずいたり、ぶつかられたりした際動くことができないのです。人間がすぐに動ける、とっさに動けるには筋緊張はとても大切でそれが安定していないと転倒へつながるのです。
筋緊張と感覚
感覚は硬い状態だと低下します。例えば手にまめができている時を想像してください。その部分が何かに触れたとき感じづらいですよね。筋肉が収縮しているときも同様のことが起きます。筋肉が収縮しているときはそこが硬くなりますよね。その部分の感覚は低下します。よって触覚、圧覚等が低下し触れたものがわかりづらかったり、バランスが感じづらくなったりします。つまり筋が緊張しっぱなし(力が入り過ぎの状態)ではバランスがわかりづらいことがわかります。バランスを感じやすくするためには筋は適度に緩んでいる必要があります。
年齢と筋緊張
筋緊張は年齢とともに高くなる傾向にあります。年齢とともに歩きや動きに滑らかさがなくなるのはそのためです。筋が収縮した状態では細やかな動きができません。そして筋緊張が高い状態では素早い動き、柔軟な動きができません。結果、速く歩いたり外力を受け止めたりすることができなくなります。つまり、つまづいたとき、ふらついたとき、人から押されたとき転んでしまうことになります。
筋緊張の改善
筋緊張、筋肉の硬さを改善するにはマッサージ等の外力では一時的の改善に過ぎません。一時的に筋を緩めてもその人がいつも受けている外因やその人の習慣、体質等で結局直ぐに戻ってしまいます。
筋を緩めるには常に大きく動かすことで筋を伸ばす必要がある。また、関節を動かすことで動かす側の筋と反対側の筋(拮抗筋といいます)には脳から抑制の信号が伝わります。そのことで更に筋を緩めることができます。それを繰り返すことで筋は徐々に緩んでいきます。ですが極度に緊張が高くなったケース、関節が変形してしまったケースなどでは自分で改善することは困難となり適切な対処が必要となります。
筋緊張のリハビリ
疾患を持った方では筋緊張は健常者より極度に高くなります。その為、それぞれの段階に合わせたリハビリを行う必要があります。
また各関節の疾患で緊張の異常が生じる場合もあります。
