感覚訓練
感覚訓練は実はリハビリには一番大切なリハビリかもしれません。人間は感覚なくしては生きられません。人間は感覚を通して自分の動作を行っています。
ですが人間の感覚は年齢とともに低下していきます。それはほぼ全員にみられると言ってよいと思います。年齢とともに力を入れることに意識が向いて、感覚を気にする人は大きく減少してしまうと言っても良いと思います。実は人間の動作は運動と感覚、INとOUTが50/50でないと適切な運動ができないと言われています。
人間が物をとる動作にしても実際は手を伸ばしていく瞬間の中で自分の感覚で動かして→ずれを修正→感覚で動かして→ずれを修正を無意識下で繰り返して目標に到達しています。
また、立ち上がるにはかがみながら重心を立位方向に移していき、重心を感じ、関節角度を感じそれらを修正しながら立ち上がっていきます。感覚が低下すると体を正しい運動方向に導くことができず転んでしまいます。
正常に動くには感覚はなくてはならないもので最も重要なものなのです。起き上がる、立位を保つ、歩く等すべてにおいてです。
感覚訓練には様々なものがあります。そのいくつかを紹介します。
感覚と注意
健常者、若者にとって感覚は無意識に使って動作しています。しかし、病気で感覚が低下してしまうことで感覚は使えなくなってしまいますがそれ以外、高次脳機能障害や加齢により感覚に意識が向かなくなることでも感覚は使えなくなってしまいます。それは注意障害の一種です。実際は感覚が保たれているにも関わらずその感覚に意識が向けられず他の情報に意識が向いてしまう。そんな健常者には想像できないことが起こっているのです。しかもそれは実際の感覚機能低下の方よりも多いと思います。
そのような方は実際は感覚機能が保たれているので訓練によって感覚が使えるようになることがほとんどです。その場合リハビリがとても重要となってきます。
また、動作、例えば歩行ではただ前方へ進むのではなく重心を知り、関節状態を知ることが1バランスを保ち倒れない、2効率的に体を運ぶ上で欠かせないことです。障害者は前に進むことだけに意識がとらわれてしまい自分の正しい身体状況を把握し辛くなってしまします易くなります。
